2/23【寝屋子 ~海から生まれた家族~】上映会@ろっきゃお

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伝統行事や伝統芸能というと、なんだかとても遠いもの、意味不明で難解、、というイメージがあるかもしれません。そして、堅苦しい家長父制の、どよ~んとした重たいイメージ・・。

しかし、今はすっかり忘れ去られていますが、かつて西日本を中心とした各地の集落では、【若者たちのエネルギーを最大限に生かす】ある風習がありました。
今の一般的なライフストーリーは、両親のもとに生まれ、家族のなかで育ち、やがて一人暮らし、または同居、結婚、という流れです。
しかし、かつては、「家族 → 一人暮らし・パートナーと同居」というストーリーの間に、【若者宿・娘宿】という時空がありました。

村で経済的に余裕のある家は、道の表に近い部屋を「宿」と呼んで、15歳以上の若者たちに開放。で、若者たちは結婚するまで、そこで自由に寝泊まりして過ごします。出入りも寝泊りも自由で、だいたい実家で夕食を食べた後、宿に集まって、夜なべ仕事(藁や竹の手仕事など)や、地域の年中行事の準備に取り掛かります(ここで技術を伝承)。一仕事終えると、同じく針仕事などで集まっている娘たちの宿になっている家へ、みんなで遊びに行きます。若者・娘たちの、やんちゃな自主活動に対して、普段は村の大人たちは口出ししないことが暗黙の了解でした。

民俗学者の宮本常一は、故郷の周防大島の集落での様子を、丁寧に記録していますが、若者組と娘組はとても仲が良く、対等どころか、むしろ娘たちの方が気丈。若者組は、娘たちに冷やかされ、たじたじになることも多かったとか。この宿仲間のなかから、実の兄弟姉妹よりも固い絆となる契りを結ぶことも多く、宿の家主とも、生涯にわたって親子のような信頼関係が生まれました。

現代の村の年中行事は、古老たちが取り仕切るイメージが強いかもしれませんが、かつては準備から片づけまで、神事、娯楽、最新芸能、男女の出会い、、など、猫も杓子も集まって大賑わいの様相を呈していました。
その地域を活性化し、再生する、この爆発的なエネルギーに欠かせなかったのが、若者たち・娘たちのパワーでした。
「青春時代」というクサイ言葉が、今、死語になりつつあるのは、このエネルギーをチャンプルーし、発散できる場が公に少ないからかもしれません。一人で部屋に籠っていても、エネルギーはとどまり、もんもんと鬱積するばかり。新しい生命をもたらす若者たちのエネルギーを、地域に放散し活性化させるために、祭りなどの行事で表舞台の中心においたのも、先人たちの知恵なのでしょう。

今、「若者宿」の風習は、伊勢湾口に位置する答志島だけに残っていますが、その30年前の様子を記録したのが、民映研のドキュメンタリー映像『寝屋子』です。昨日、私も試写会に参加しましたが、とってもおすすめです!青春時代のムンムンした熱気が伝わってきて、懐かしいし、笑えるし。地域をひっぱってきた、汗臭い若者たち。いいですね~。

ところで、現代の汗臭さを物見遊山してみたい方は、、【4/5、6「柳生さくら祭」】の「柳生青年団」の出店ブースがおすすめです…。(今、必死のパッチで、さくら祭のステージプログラム組んでます)

2/23【寝屋子 ~海から生まれた家族~】上映会@ろっきゃお(奈良市)
詳細は以下にて。
http://rokkyao.exblog.jp/22091527/
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by rupa-ajia | 2014-02-21 13:14
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