![]() 毎年、その年らしい、そして柳生らしいステージが出来上がりますが、今年は初めて「屋根」を設置することができました。みんなの私物と技と力を寄せ集め、やはり想像以上に早く完成。 「こうしたらいいんちゃうか、ああしたらいいんちゃうか」と、工夫を出し合いながら進めていくのですが、個性的な里人の集まりですから、意見は実に様々。いろんなアイデアが飛び交い、とても賑やかな状況です。そんな多様な意見の下、行きつ戻りつしながら、みるみるうちにカタチがうまれていく様は、とても感動的です。思いもよらない発想、思いもよらない技、思いもよらない過去の経験…、さまざまな情報が行き交って飽きることがありません。 衣食住、ノンジャンルで古老への聞き取りをしていて思うのは、この【暮らしのなかの共同作業、「結い」こそが、文化の源】ということです。 しかし究極の役割は、「その人らしく、その場にいてくれること」。不得手で何もできなくても、個性的な仲間がそこにいて見守ってくれるだけで、なにか温かな空気が広がっていくのです。 出来上がったステージを眺めながらの歓談は、感慨もひとしお。しかし初の屋根付きですから、当日、不具合が出てくる可能性も少なくありません。そういうときこそが、「結い」の力量発揮のとき。 「柳生さくら祭」は、雨でも心の中に花咲く祭り。ステージ作業が進み、気がつくと、枝先の桜がほころんでいました。 #
by rupa-ajia
| 2017-04-07 22:58
| ◆柳生さくら祭
![]() 大和高原の昔ながらの自家用茶、春番茶。「春番(はーばん、はるばん)」と呼ばれ、新茶シーズンの前、越冬した茶が新芽を出す前に枝ごと刈り、茶農家の自家用茶にされていました。 近畿の自家用茶といえば、古くから伝承されてきた紀伊半島山間部の山茶「釜炒り茶」が有名ですが、この春番茶は、茶の産地ならではの「蒸し茶」になります。「自家用茶」への愛が、釜炒り茶と蒸し茶という新旧の製茶を和したのかもしれません。
![]() ちょっと体調悪いときには、「春番、飲んどき」が合い言葉。秋番茶よりもさらにカフェインが少なく、健康にいい成分が凝縮された春番は、日々の暮らしになくてはならない存在だったのです。 その愛すべき「春番」の再生にあたってのアドバイザーは、春番に親しんだ世代である都祁の「大西武男商店」店主(大和高原文化の会会員)。90年以上の在来茶樹、長野の桶職人による特注の蒸桶、都祁の森林組合による蒸し台、福井の藁細工職人による筵(ムシロ)、高知の竹細工職人による竹籠。無農薬無化学肥料の自然栽培であることに加えて、自然素材の民具を使うことで、かつての地場産業の奥深さ、「自然と人の関わり」そのものを伝えてくれる、壮大な春番プロジェクト。楽しみ学びながら再誕した「春番」は、実に素朴かつ滋味な味わいです。 ![]() ↑ベルリンやフランクフルトを中心に、欧州で活躍のLow #
by rupa-ajia
| 2017-04-07 22:40
| 大和高原(地元ネタ)
![]() 【柳生さくら祭】は、柳生新陰流創始者、柳生石舟斎様の没後400周年を記念しスタートした柳生地区(旧・柳生村)春の文化祭。 桜の季節の再会を、地域のご先祖様はじめ、柳生にかかわる目には見えない方々も共に、祝い楽しむことのできる幸せ。 地域内外の方々、老若男女、有名無名を一切問わず、大和高原を中心とした奈良県下の伝統芸能、古武術の演武のほか、実に多様な出演者の皆さま(今年はドイツからテクノ音楽も♪「さくら祭」を意識した選曲とのこと)。ご出演者さま2日間のべ250人以上~!柳生の自然・歴史・暮らしが包み込む祭会場は、まさに地上天国の様相です。 ●「大和茶摘女(やまとちゃつめ)&かみや園」 ●「さかのりぷ」 ●「あさひやのおやこほうじ 黄金井家」 ●「セルフ祭のセルフショップ」(8日) ●「お名前しいたけ」(9日) もちろん、他にも柳生内外の楽しく美味しい出店がいっぱい♪ #
by rupa-ajia
| 2017-04-05 10:47
| ◆柳生さくら祭
いよいよ明日から「第十回柳生さくら祭」です。
ここのところいくつもの仕事が重なり、徹夜続きだったりしつつも、今日やっと原稿が終わりました。あとは明日からのステージ進行表をつくるのみ。 思えば、この10年間、本当にいろんなことがありました。そして、つくづく感じるのは、感謝ばかりです。 故郷を愛し、守り続けてこられた柳生の方々やご先祖さま、そんな思いや風土に共鳴して、各方面から駆けつけてくださるご出演・ご出店の皆様、共に楽しんでくださるお客様…、本当に有り難くてたまりません。 10年前、下の子がまだ1歳、まだ移住2年目だった私に、声をかけてくださった故A先生。 そこから、柳生観光協会前会長、司会の巽さんなどなど、今の「柳生さくら祭」につながる大勢の方々が励まし導いてくださいました。 その頃、大和高原について今よりももっと無知で、何もわかっていない私に、根気強く、たくさんのことを教えてくださった柳生の方々。地域の中に、こんなにも深く明るい信頼関係があるとは。これが、日本人の本当の姿なんだと感動し、この奥底には何があるのだろうと、かねてより興味のあった民俗学にどんどん傾倒していきました。 そんな「第一回柳生さくら祭」が終わった頃、天理大学のシンポジウム(「環太平洋の火の文化」というようなテーマだったはず)で、「大和高原文化の会」の発足準備中だった植村先生(現・文化の会名誉会長)に出会い、早速、「大和高原文化の会」準備会に入会。 植村先生はじめ、文化の会会員の方々の地域への想いも本当に深いもので、化石燃料に依存しない自給自足時代の経験者の方々に囲まれて、一人未熟者の私は、どれほど多くのことを教えていただいたことか・・ 人生においても全く不器用で未熟な私を、10年間変わらず信じ、心温かく迎えてくださった柳生の方々、文化の会の方々、そのほか、多くの大和高原の方々には、どんなにお礼を言っても言い尽くすことはできません。 本当に本当に、ありがとうございます。 そして、10年という大きな節目にあたって、そろそろ次の節目がくるんだろうな、と感じていた矢先、今、とても大きな流れが押し寄せてきています。 今までの人生で夢中になってきたこと、中世ルネサンス音楽、取材と原稿、詩と散文、民俗学、伝統芸能、地域活動、霊的メッセージ、、すべてが統合されていく、宇宙的なまでに大きな流れ。ちぐはぐに見えていたものが、こんなかたちで和合していくとは、ごく最近まで考えもしていませんでした。 私を育ててくれたご先祖さまや両親、家族、地域の方々、みんなのために、そして何よりも、自分の魂のために、楽しみながら遊んでいきたいと思います。 ところで私にとって、一番心に染みる柳生の風景は、桜が散り始めるときです。ご先祖の方々、石舟斎さま、そしてA先生たち・・、柳生にかかわる目に見えない存在たちと、今に生きる多様な私たちが、桜のエネルギーに包まれて、一緒になって自然を愛で、遊んでいるような気分になるのです。 桜が散る頃に旅立たれたA先生の望みは、「地域の子どもたちからお年寄りまで、みんなで桜の時期を楽しむ」ことでした。「柳生さくら祭」を、いろんな方々と楽しむことこそが、先生への一番の供養になるんだと、深く感じています。 明日からの「柳生さくら祭」は、ちょうどそんな桜が散り始めるときになりそうですね。 心の底から、でっかい遊びを堪能したいと思います。 ご都合よろしい方は、ぜひ遊びに来てくださいね。 プログラム 柳生陣屋跡にて 2015年4月11日(土) 9:45~ 柳生リトルギャング ダンス(柳生保育園・親子有志) 10:00~ 火縄銃大阪城鉄砲隊・祝砲(澤田平先生 大阪 阪原) 澤田先生 柳生親善大使 任命式 10:20~ 河内忍軍(大阪・忍法演武) 10:50~ けはや相撲甚句会(葛城市當麻) 11:20~ 田原太鼓(田原地区・和太鼓) 11:50~ 青柳会(大柳生、柳生・民謡) 12:15~ 柳生二蓋笠会(柳生新陰流演武) 12:40~ 大日会「華音(かのん)」(尺八と琴・兵庫) 13:05~ 火縄銃実演 大阪城鉄砲隊 真剣試切り 澤田平先生がまの油売り 13:50~ あべひろえ(京都市・歌) 14:10~ やまびこ太鼓(月ヶ瀬・和太鼓) 14:40~ 柳生に伝わる長谷川流棒術 14:50~ 弁天太朗(兵庫・歌と三味線) +大南みのりさんと田頭加奈子さんによる書画パフォーマンス 15:20~ さかいなみ(山添村・歌) 15:45~ フィナーレ 柳生音頭 ●4月12日(日) 10:00~ よんみ(上牧町・歌) 10:10~ 山浦庸平&近藤大貴+あみ (室生、那智・パーカッションデュオ+スーフィーカタックの祈りの舞) 10:30~ 根っこ(室生・歌とギター) 10:55~ 河内忍軍(大阪・忍法演武) 11:25~ 舞遊会(柳生・新舞踊) 11:45~ 歓音~かのん~(橿原市・歌とギター) 12:10~ 狂言「千鳥」山添いろは会 12:30~ 田原伝統芸能保存会(おかげ踊り・祭文踊り・千本搗き) 13:05~ 遊武会(武術・大阪) 台湾の武術家 王昭文さんを迎え 13:35~ こ山さとし&みゆき「烏龍」(山添村・歌) 14:00~ 盛岡健とその仲間達(柳生・歌・舞踊) 14:30~ 錦会「春の坂道」(柳生・新舞踊) 14:40~ 奈良じゃんべの会(奈良市・アフリカの太鼓) 15:10~ フィナーレ 柳生音頭 #
by rupa-ajia
| 2015-04-10 23:09
| ◆柳生さくら祭
前夜の告知になってしまいまして、申し訳ございません。
昨秋の奈良ショートツアーで、圧巻なインパクトを残してくれたイオ。 今週末に、またイサくんが来奈!fufufuで、イオの息ぴったりのライブが堪能できます。 決めのすごさが光るイオですが、八重山民謡「月ぬ美しゃ」のような、しっとりと美しい旋律もすばらしいのです。 「月ぬ美しゃ」 http://www.youtube.com/watch?v=LNgPjSd5zK4 「柳生さくら祭」初日の夜、まだまだ盛り上がりたいという方はぜひ、みんなで室生のfufufuに向かいましょう♪ at free speace cafe fufufu 奈良県宇陀市室生砥取550-1(28号線 島ヶ谷トンネル付近) いつも楽しませてもらっているアカリちゃんのお店。くつろいで、ゆったりと音世界を堪能できます! open 18:00 start 19:00 guest 近藤夏織子(リコーダー) 前売り 1500円(1drink付き) 当日 2000円(1drink付き) 飲食別途料金でご準備してます☆ 予約、問い合わせ 09057427730(山浦) IO~イオ~ ギター&ボーカルのイサ、パーカッションの山浦庸平によるデュオ。イオは、森羅万象の源と最終的な目的地を意味するハワイの古い言葉。地上を俯瞰しながら悠々と飛翔する鷹のようなシャーマニックな旋律。深海から響く生命の鼓動とともに、湧き出て流れるようなリズム。二人の織りなす音世界の先に広がるのは、イオの大いなる神秘。 #
by rupa-ajia
| 2014-04-04 22:48
| イベント(ライヴ・ワーク等
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■ライター 近藤夏織子
(こんどう・なおこ) 医学書出版社の編集部に在籍後、フリー。10数年前より民俗学の分野を中心に、古老への聞き取りを進め、独自の視点で記録執筆を行う。ほか、伝統、食農、田舎暮らし、神話、アート、紀行、建築、科学、医学、…、etc. 中世・ルネサンス音楽のレッスンも承ります(リコーダーアンサンブル)。 http://amanakuni.net/rupa/index.html 各種お問い合わせは、直接ご連絡を ■連載記事・掲載誌の一部 ミニコミ誌『なまえのない新聞』 名前のある家 2000年~ 不定期掲載 『チルチンびと広場』web版 連載コラム担当 「7代先につなげたい、 先人の心」 http://www.chilchinbito-hiroba.jp/column/senjin/ 『チルチンびと』 民俗学分野の原稿を企画執筆 『田舎暮らしの本』 など 以前の記事
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