大和高原の昔ながらの自家用茶、春番茶。「春番(はーばん、はるばん)」と呼ばれ、新茶シーズンの前、越冬した茶が新芽を出す前に枝ごと刈り、茶農家の自家用茶にされていました。 近畿の自家用茶といえば、古くから伝承されてきた紀伊半島山間部の山茶「釜炒り茶」が有名ですが、この春番茶は、茶の産地ならではの「蒸し茶」になります。「自家用茶」への愛が、釜炒り茶と蒸し茶という新旧の製茶を和したのかもしれません。
ちょっと体調悪いときには、「春番、飲んどき」が合い言葉。秋番茶よりもさらにカフェインが少なく、健康にいい成分が凝縮された春番は、日々の暮らしになくてはならない存在だったのです。 その愛すべき「春番」の再生にあたってのアドバイザーは、春番に親しんだ世代である都祁の「大西武男商店」店主(大和高原文化の会会員)。90年以上の在来茶樹、長野の桶職人による特注の蒸桶、都祁の森林組合による蒸し台、福井の藁細工職人による筵(ムシロ)、高知の竹細工職人による竹籠。無農薬無化学肥料の自然栽培であることに加えて、自然素材の民具を使うことで、かつての地場産業の奥深さ、「自然と人の関わり」そのものを伝えてくれる、壮大な春番プロジェクト。楽しみ学びながら再誕した「春番」は、実に素朴かつ滋味な味わいです。 ↑ベルリンやフランクフルトを中心に、欧州で活躍のLow
by rupa-ajia
| 2017-04-07 22:40
| 大和高原(地元ネタ)
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■ライター 近藤夏織子
(こんどう・なおこ) 医学書出版社の編集部に在籍後、フリー。10数年前より民俗学の分野を中心に、古老への聞き取りを進め、独自の視点で記録執筆を行う。ほか、伝統、食農、田舎暮らし、神話、アート、紀行、建築、科学、医学、…、etc. 中世・ルネサンス音楽のレッスンも承ります(リコーダーアンサンブル)。 http://amanakuni.net/rupa/index.html 各種お問い合わせは、直接ご連絡を ■連載記事・掲載誌の一部 ミニコミ誌『なまえのない新聞』 名前のある家 2000年~ 不定期掲載 『チルチンびと広場』web版 連載コラム担当 「7代先につなげたい、 先人の心」 http://www.chilchinbito-hiroba.jp/column/senjin/ 『チルチンびと』 民俗学分野の原稿を企画執筆 『田舎暮らしの本』 など 以前の記事
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