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柳生が教えてくれたこと

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「柳生さくら祭」の魅力のひとつとして絶対に外せないのは、【共同作業~結い~】です。
毎年、その年らしい、そして柳生らしいステージが出来上がりますが、今年は初めて「屋根」を設置することができました。みんなの私物と技と力を寄せ集め、やはり想像以上に早く完成。

「こうしたらいいんちゃうか、ああしたらいいんちゃうか」と、工夫を出し合いながら進めていくのですが、個性的な里人の集まりですから、意見は実に様々。いろんなアイデアが飛び交い、とても賑やかな状況です。そんな多様な意見の下、行きつ戻りつしながら、みるみるうちにカタチがうまれていく様は、とても感動的です。思いもよらない発想、思いもよらない技、思いもよらない過去の経験…、さまざまな情報が行き交って飽きることがありません。
しかし見た目には、冗談やらボケやら突っ込みやら、笑いの絶えない状況。そばで花見ならぬ蕾見されているグループがいらっしゃいましたが、明らかに作業の方が楽しそう。

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衣食住、ノンジャンルで古老への聞き取りをしていて思うのは、この【暮らしのなかの共同作業、「結い」こそが、文化の源】ということです。
そして確実に言えることは、「結い」においては、どんな人にも必ず役割があるということ。「助け合う心」があれば、指示されなくとも、自分のすべきことが見えてきます。私のような軟弱な人であっても、物を支えたり片付けたり、離れて垂直水平を確認したり、いくらでもできることはあるものです。音楽のセッションに負けない魅力があります!!(←コレ本当です!現代社会では音楽セッションよりずっと貴重な機会)

しかし究極の役割は、「その人らしく、その場にいてくれること」。不得手で何もできなくても、個性的な仲間がそこにいて見守ってくれるだけで、なにか温かな空気が広がっていくのです。

出来上がったステージを眺めながらの歓談は、感慨もひとしお。しかし初の屋根付きですから、当日、不具合が出てくる可能性も少なくありません。そういうときこそが、「結い」の力量発揮のとき。
柳生に関わって、炭焼き窯づくりを頂点に、さまざまな「結い」の現場に身を置かせていただきました。そしてその神髄は、【失敗】にあると断言できます。失敗という経験こそが、人を高め、人と人の絆を強くする。失敗したとき、大変なときに、いかに前向きに明るく、気持ちを切り替えるか。励まし合い、助け合う心が、幾多の災害を乗り越えて、私たちに生命をつないでくれた。柳生は、そのことを私に教えてくれました。

「柳生さくら祭」は、雨でも心の中に花咲く祭り。ステージ作業が進み、気がつくと、枝先の桜がほころんでいました。

さていよいよ明日。初日の総出演者150人以上、古今東西の大芸能祭り!
中宮寺で、出演者用ご飯ご担当、柳生下町の先達主婦の皆さまの仕込みも一段落したようです(毎年、大人気の美味しい色ご飯です!)。
花見ならぬ人見、味見もオツなもの。いざ、ご出陣を。


by rupa-ajia | 2017-04-07 22:58 | ◆柳生さくら祭
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